書くことのキホン

あなたは本当に「書けている」? 読み手に伝わるライティングとは

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あなたは文章を書くことができますか

そう聞かれると「もちろん!」と答える方が大半でしょう。しかし残念なことに、文章そのものは書けても、他の人が読むとイマイチ上手く伝わらない出来になってしまう人は、意外と多いのです。

というのも、日本では「文字の読み書き」「文章の読解」は義務教育で習っても、「文章を書くこと」について習う機会は少ないからです。

学校の宿題で読書感想文を書くことはあっても、どう書けばいいのかまでは、教わらなかった人がほとんどのはず。

ここまで読んで、「またまたぁ……文章を読むことができる人なら、書くことだってカンタンでしょ?」と思った方は、特に注意です。なぜなら、「相手に伝わるように書くことがいかに難しいか」を自覚していないからです。

プロのライターは、自分の書いた文章を何度も推敲(読み直して、修正すること)します。その上で、編集者さんなど別の文章のプロにもう一度推敲してもらうことも多いのです。そこまでしないと、お金になるような文章を仕上げることはできない、ということです。

この記事では、読み手に伝わらない文章とはどのようなものか、そして文章を読み手に伝わるようにするのはどうすべきかを解説します。

読み手に伝わらない文章の特徴

まずは、一体どんな文章が「読み手に伝わらない」ものか、確認しましょう。

誤字、脱字が多い

言わずもがなです。誤字や脱字が多いと、それだけで気が散りますし、場合によっては読み手を誤解させたり、混乱させたりします。例えば、次の文章を読んでみてください。

いつもの液の自動販売機でコーヒーを買った。

「液」は「駅」の誤変換だろうと分かりますが、一瞬だけ引っかかってしまいますね。次の文章はどうでしょうか。

その島の端には看板が立てられている。

一見、誤字があるようには見えず、意味の通った文章のようです。しかし、「端」が「橋」の誤字である場合、読み手を誤解させてしまうことになります

誤字・脱字はプロのライターでも発生しやすいミスです。何度も文章を読み直し、細かくチェックすることが大切です。

言葉の意味を間違って使っている

意外と多いのが言葉の誤用です。よく言われているものだと、次のようなものがありますね。

  • 気の置けない人」…よく使われるのは「気を遣わなければいけない相手」という意味だが、本来の意味は「気を遣う必要のない相手」という意味。
  • 姑息」…よく「卑怯」と同じ意味で使われますが、本来は「その場しのぎ」という意味。
  • 性癖」…性的嗜好を指す意味で使われることがありますが、本来は「心理や行動のクセ、性格」といった意味。
  • 「意外」と「以外」など、同音異義語の誤用(誤変換にも注意)

周りの人も同じように使っていて、同じように理解されるなら、誤用でも大丈夫だ、という見方もあります。それも決して間違った考えではありません。

実際に、言葉の誤用が一般的に広がりすぎたため、辞書に掲載されるなどして正式な用法として認められた、という例もあります。

しかし、言葉について知識のある人が読むと「この人、分かってないなぁ」と思われます。できる限りでよいので、言葉の誤用は避けるべきです

ひとつの文章が長すぎる

例えば、次のようなものです。

SNSは、ソーシャルネットワーキングサービスの略であり、友人や家族など好きな人と繋がり、誰でもリアルタイムに情報を発信したり受け取ったりすることができる素晴らしく便利なものだが、一方で誰でも情報を発信できるという特徴のため、フェイクニュースの拡散や迷惑行為の炎上、また芸能人などに対する誹謗中傷の声が大きくなりやすいなどの問題も発生し、利用には注意が必要である。

意味は分かりますが、いつ結論が出るのか分かりにくく、読むときに少しストレスです。このような場合には、適切なところで文章を区切るべきです。

SNSは、ソーシャルネットワーキングサービスの略である。友人や家族など好きな人と繋がり、誰でもリアルタイムに情報を発信したり受け取ったりすることができる、素晴らしく便利なものだ。一方で、フェイクニュースの拡散や迷惑行為の炎上、また芸能人などに対する誹謗中傷の声が大きくなりやすいなどの問題もある。利用には注意が必要である。

句読点の使い方が不適切

句読点が少ないと、文章がどこで区切られるのかわからなくなり、読みづらい文章になります。

読みやすい文章を書く技術を身に着けるためには特別な訓練が必要なわけではないがある程度の勉強と練習は不可欠である。

逆に句読点が多すぎてもテンポが悪く、理解しづらくなります。

読みやすい文章を、書く技術を、身に着けるためには、特別な訓練が、必要なわけではないが、ある程度の、勉強と練習は、不可欠である。

適切な場所に、適切な数の句読点を使いましょう。

読みやすい文章を書く技術を身に着けるためには、特別な訓練が必要なわけではないが、ある程度の勉強と練習は不可欠である。

主語、述語などが抜けている/重複している

必要な主語や述語などが抜けてしまっていたり、逆に重複してしまっている文章も、よく見かけます。

主語とは、文章の「誰が、何が」を表す部分で、述語は「何をしたか」という部分ですね。

次の文章は、主語が重複している例です。

そのとき、私は高熱があり咳も出ていたが、家に食べるものが何もなかったので、私はコンビニへ食糧を調達しに行った。

意味は分かりますが、「私は」という主語がひとつの文章に2回出ていますね。

漢字の使い方が不適切

漢字が多すぎる文章や、漢字が連続する文章は読みづらくなる傾向にあります

漢字で書ける言葉でも、ひらがなの方が読みやすい場合もあります。例えば、以下のようなものです。

「こと」や「とき」

文章を書くは楽しい。→文章を書くことは楽しい。
その私は気付いた。→そのとき私は気付いた。

文と文を繋ぐ接続詞

及び→および
従って→したがって
更に→さらに

その他の例

有難う御座います→ありがとうございます
如何でしょうか→いかがでしょうか
我が儘→わがまま
……など、一般的に漢字で書かれているのをあまり見かけない言葉

また、漢字が連続してしまう場合は言い回しを工夫する、言葉の順番を変える、句読点を追加するなどの対応をすると、理解しやすい文章になります。

その直後突然携帯電話が鳴り響いた。

その直後、いきなり携帯電話が鳴り響いた。

語順が良くない

語順(言葉の順番)が良くないと、すんなり理解できない文章になってしまうことがあります。

雨が降りそうな空だったので、車で天気が心配になった私の姉が迎えに来てくれた。

この文章だと、「車で」が最初に来ているのですが、その後に続く「天気を心配した私の姉が」が、車とはあまり関係のない内容なので、少し混乱してしまいます。

また、「天気が心配になった私の姉」という書き方も微妙です。天気が心配になったのが「私」だとも読めるし、「私の姉」だとも読めます。

このような場合は、語順や言い回しを変えることで文章を分かりやすくできます

雨が降りそうな空だったので天気が心配になった私を、姉が車で迎えに来てくれた。

伝わる文章を書くためにできること

私に文章を書くことを教えてくれた先生は、このようにおっしゃっていました。

先生
先生

一度読んだだけで意味が理解できる文章がベストだ。相手に「どういう意味だろう?」と考えさせてはいけない

一度読んだだけでは引っかかってしまい、二度、三度と読み直させてしまう文章は良くないということです。

では、文章を分かりやすくするためにはどうすればよいでしょうか。

とにかく推敲する

推敲とは、文章を何度も読んで、もっと読みやすくするために修正することです。

プロのライターであれば誰もが必ず行っている作業です。サラサラッと文章を書いてそのまま納品するということはありえません。

なぜなら、どれだけ優れたライティング技術を持っている人でも、必ず間違いは起こるからです

添削を受ける

ライティング初心者は、そもそもどのように推敲すればよいか分からない場合もあるでしょう。そんなときは、添削を受けてみるのもオススメです。

添削とは、誰か他の人物に文章を読んでもらって、誤字や脱字、伝わりにくい部分、誤解されそうな言い回しなどを修正してもらうことです。

あなたの周りに誰か信頼のおける人がいるなら、その人に頼んでもよいですし、ココナラなどのスキル系マーケットを利用すればプロの方に添削してもらえるチャンスもあります。

自分では気付けないような間違いやクセを発見できるので、ライティング技術の向上にとても有効です。

言葉の使い方が正しいか、自分で調べる

文章を書いているときに、「この言葉の使い方、合ってるっけ?」「こういう意味であってた……はず」と一瞬でも疑問や不安に思ったなら、即座にその言葉を検索して意味を調べることをオススメします

私もそうなのですが、意外と「言葉の意味を勘違いしていた」とか、「慣用句の言い回しを間違えて覚えていた」というケースが多いです!

分からないことを調べるのは恥ずかしいことではありません。むしろ、言葉を間違ったまま使い続ける方があなたにとってマイナスです。

言葉の意味をWEBで検索するなんて、1分もかからずに終わる作業です。疑問に思ったことはすぐに調べて、正確な言葉遣いができるようになりましょう。

一晩寝かせて読み直す

同じ文章に長時間向き合って作業をしていると、目や脳がその文章に慣れ切ってしまい、ささいな間違いに気付けなくなってしまいます。

疲れていてもそうでなくても、一度文章を書き上げたら一晩おいて、リフレッシュしてから見直してみると、意外な気付きがあるかもしれません。

ひたすら文章を書いて経験値を溜める

ライティングに限ったことではありませんが、なんといっても技術の向上には経験値が重要です。ひたすら書き続けて経験値を溜め、文章力をパワーアップさせることが大切です。

ライティング関連書籍などを読んで知識を入れることも大切ですが、それ以上に実践がモノを言うと思うべきです

分からないなりに文章を書いているうちに、少しずつですがいろいろなことが分かるようになってきます。

  • 文章で取り扱う話題の選び方
  • 文章を読みやすくするための言い回しの選び方
  • 自分の文章のクセ
  • 誤用しやすい言葉を覚えられる
  • 文章を書くスピードも、文章の質も上がっていく

まずは手を動かして文章を書きまくってみましょう! そして、書きっぱなしにするのではなく、何度も読み返したり、誰かに読んでもらったりして、反省と改善を繰り返しましょう。

やり方を間違えず、真面目に取り組んでいれば、必ず誰かに伝わる文章を書く力を身に着けることができます。

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WEBライター
文章を書くことが大好きで、幼いころから趣味でブログをやっていました。仕事はもちろん、趣味で文章を書く人にも有益な情報を発信します。
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